ナポリには数多くのサルトリアが存在します。看板のないサルトリア、職人が個人的に仕立てているところなどを含めれば、その数は数百と言われています。

ナポリのサルトリア業界は比較的横つながりもある世界なので、サルトであれば他のサルトリアや職人たちをなんとなく知っていることがほとんどです。

今日はそんな、ナポリで有名なサルトリアを紹介いたしましょう。

Sartoria Panico サルトリア・パニコ

ナポリでもやはりマエストロとして名高いのが、アントニオ・パニコでしょう。有名なサルトリアといえばどこか?と聞けば、とりあえず彼の名前が出てきます。アントニオ・パニコはナポリに限らず世界中からくる顧客にスーツやジャケットを仕立てています。その仕立てている数はナポリでもトップクラスです。

Sartoria Ciardi サルトリア・チャルディ

アントニオ・パニコと並んで名前が上がるのが、レナート・チャルディの名前です。去年亡くなったレナートは、その温和でユーモラスな人間性から、ナポリ中の誰からも尊敬された珍しいサルトでした。レナートは格別な存在でしたが、エンツォとロベルトの兄弟が引き継いでからも、サルトリアの評判は変わりません。

Sartoria Pirozzi サルトリア・ピロッツィ

ナポリのマエストロの中でも、この人は腕がいいと言われているのがヌンツィオ・ピロッツィです。日本でオーダー会を開催したりと注文数が増える中でも、昔ながらの仕立て方を変えずにしっかりと作り続けているのが、ナポリでも評判です。

Sartoria Formosa サルトリア・フォルモサ

亡くなったマリオ・フォルモサはナポリ最高の職人の一人と言われ、レナート・チャルディやアントニオ・パニコにも勝るとも劣らない職人と言われていました。亡くなったあとは息子のジェンナーロ・フォルモサが跡を継いでいます。工房を任されているディオニジオ・ダリーゼは非常に気さくで、ナポリでは愛される職人です。

Sartoria Dalcuore サルトリア・ダルクォーレ

現在ではどちらかといえばグローバルブランド化し、チェザレ・アットリーニに近い立ち位置となったサルトリア・ダルクォーレ。ナポリの手縫いやマニカ・カミーチャの雰囲気を存分に感じられる既製服を手がけています。脱税問題などもありナポリでは評価が分かれますが、ルイジ・ダルクォーレの腕前は誰もが認めるところです。

Sartoria Sabino サルトリア・サビーノ

多くの職人がナポリの中心地にアトリエを移す中、頑なにカサルヌォボで仕立てを続けているのがサビーノです。アンジェロ・ブラージに師事したパスクアーレ・サビーノが立ち上げたサルトリア・サビーノ。このサルトリアでは現在、息子のマルチェッロ・サビーノとミケーレ・サビーノが働いています。

Sartoria Caliendo サルトリア・カリエンド

ナポリの高級サルトリアとして有名なのが、ロンドンハウスからも程近いキアイア地区にあるサルトリア・カリエンド。圧倒的に高級な仕立てのため、顧客は多くがヨーロッパの富裕層だと言われています。現当主のエリア・カリエンドは本人が腕のいいサルトであり、その技術はナポリでも認められているところです。

Sartoria Solito サルトリア・ソリート

トレド通りにアトリエを構えるサルトリア・ソリートもまた、ナポリでは知られている職人です。特に常に実直に働き、服を仕立て続けているジェンナーロ・ソリートはナポリ屈指のマエストロの一人として尊敬されています。ジェンナーロ・ソリートのフィッティングは素晴らしく、彼に採寸と仮縫いをしてもらうのが、ナポリの富裕層の楽しみです。

Cesare Attolini チェザレ・アットリーニ

サルトリアではなくブランドですが、アットリーニはナポリでは誰もが知るブランドです。ヴィンツェンツォ・アットリーニは誰もが認める歴史的なサルトでした。今でもナポリで、ビジネスマンや富裕層でサルトリアに行く時間のない人や、ステータス性が必要な人に支持されています。趣味性が低くグローバルに使える、ナポリ製最高級スーツという扱いです。

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